飼育環境について<実際のセット例>
2018/11/10
■飼育環境のパターン
先にこちらの記事でツノガエル飼育の基本的なことを書きましたが、その中でも飼育環境のセットについて、具体的な画像を用いて解説させて頂きます。ツノガエルの飼育環境には、水張り飼育(いわゆるベアタンク)、ウールマット飼育、土飼育の大きく3パターンがありますが、多分、イメージしにくいのは水分量の加減ではないかと思っています。
■水張り飼育とウールマット飼育
水張り飼育とウールマット飼育では、水を入れすぎないことがポイントになります。ツノガエルはもともと地上性のカエルですから、ある程度の水分や湿度は必要ですが、ザブンッと入るような水分量は必要ありません。あくまでもカエル達の保湿と我々の外出時に水分がなくならない程度の水分量を担保してあれば十分です。
画像はベビー時代のメインゲージ、今は温浴やゲージ掃除時の退避用として使っているプラケースですが、水分量としてはこの画像ぐらいで十分です。ケースの底には観賞魚用上部フィルターのウールマット をカットしたものを敷いている状態ですが、水張り飼育の場合ではこのマットをケースの底と想定したぐらいの水分量(浅さ)で十分だと思います。水張り飼育もウールマット飼育もほとんど変わりはないように思えますが、ツルツルとして足が滑ってしまう水張り飼育よりも、ツノガエル達が踏ん張ることのできるウールマット飼育の方が、フンの早期発見やフンが必要以上に溶け出すことを防ぐことからも、より良い飼育環境のではないかと思います。
■土飼育
土飼育は、ヤシガラ土などの本当の意味での土を使う場合と私のように園芸用の赤玉土を使う場合が多いですが、ここでは自分で実際に経験のある赤玉飼育について解説します。なお、ヤシガラ土飼育については、榎本さんの「旧SJG」に飼育日記という形で記載されておりますので、そちらをご参照下さい。
赤玉土飼育の場合でも、2パターンの使い方を私は実施しました。1つは赤玉土を適度な水でしめらせただけにし、片隅にツノガエルが入れるぐらいの水入れを設置するパターンです。赤玉土は一度バケツでザッと水洗いし、一晩水に浸しておいて赤玉の内部まで完全に水を滲み込ませます。翌日、水に浸かった赤玉をザルですくいそのままゲージの底に敷きます。
底に敷く量としては、保湿やツノガエル達がある程度潜れるように厚さ3cm以上はあった方がいいと思います。そしてケージ内にツノガエルの体が入る程度の大きさの爬虫類用の水入れなど設置します。haulerさんのぴこぽんの新居がまさにこの環境です。底に敷いた赤玉土が乾いてきたら霧吹きや適量の水を注入して乾燥のしすぎを防ぎ、後は水入れの水をこまめに換えてあげればOKです。
もう1つのパターンが水入れを使わず、底に敷いた赤玉土がヒタヒタになるぐらいの水を入れておくというパターンです。ウールマット飼育のウールマットを赤玉土に変えただけの環境ですので水分量の目安は全く同じで、変化の付け所は底に敷く赤玉土の厚みだけです。
■現在の私の飼育環境
現在の私の飼育環境は?というと水張り飼育と赤玉土飼育の2つパターンの融合を試みたものです。具体的には、内部に水中フィルターを設置した20cmキューブ水槽に厚さ7~8cmほどの赤玉土を敷き、一定量の水分を確保した上で、ゲージ背面の穴開け加工をした岩から水が流れ落ちるという環境です。ゲージに注入する水分量で色々調整できますが、基本的には赤玉土表面より2cm程度下までの水を入れ、地上表面があまりジメジメとならないようにし、カエルが水分を欲しがった場合には岩から流れ出る水に体を浸せばいいような作りにしています。 この環境は、私が単身赴任をしており週末や連休などは東京の自宅に戻るという生活パターンに対応させるためと、自然の一角を切り取ったようなテラリウム環境を目指して構築したものです。東京に帰る金曜日には通常より大目の水を入れてゲージ内の水が乾燥してしまわないようにしています。
■ついでといっては何ですが
ついでというか、赤玉土を敷く厚みを見てもらうのと一緒に先の記 事に書いた今のゲージのフタもご覧下さい。使っているのはホームセンタで購入した20cm四方のバーベキュー用の網です。左の画像は自分が部屋に戻った時の状態で、右の画像は部屋を外出する際の状態です。(飛び出し防止用の重しを置いて出かけています。)本題の土の厚さですが、水中フィルターを設置している関係もあって、かなり厚く赤玉土を敷いているのがご覧頂けると思います。この厚みの赤玉土を敷いて、実際に入っている水の量としては、先ほどのプラケース8分目ぐらいの水が入っておりますので、週末や3連休程度の不在期間であれば全く水の量を心配する必要はありませんので安心です。