負の連鎖
2016/02/13
■砂肝の給餌
前回の砂肝給餌からほぼ一週間が経過しましたので、再び、帰宅途中に砂肝を買い、我が家の同居人に与えました。砂肝の餌を与えたとはいえ、約一週間、給餌をしなかったことは初めてです。目の前に砂肝を下ろした瞬間、一気にガブリッといきました。
今回の砂肝給餌にあたっては、haulerさんの記事を参考に、お湯で湯通しした上でカルシウムパウダー のダスティングを行いました。今回、砂肝の湯通しをして気がついたのですが、雑菌対策としての役割も湯通しにはあるのですが、もう一つの重要な役割がありました。それは餌そのものの加温という役割です。
■餌を常温以上にする必要性
冷凍のピンクマウスを与える場合、解凍する目的もあってビニール袋等に入れた上で湯通しを行うようなので、解凍という過程の中で餌は加温されることになりますが、砂肝のような生肉の場合、スーパーなどで購入したものを無加温で与える場合が多いと思います。(前回の私がそうでした。)
しかし、冷凍ではないもののお店の生肉は冷蔵された状態で陳列されていますので、当然ですが、かなり冷えた状態であり、無加温で給餌を行った場合、ベルツノガエルの急激な体温低下と、それに伴う消化不良を招く恐れがあります。
■仮説:負の連鎖
自然界においては、基本的に気温以下になる餌を捕食することはないはずですので、低温の餌の捕食による体温低下と消化不良という事態を招くことはないと思いますが、飼育下においては異なります。
またまた仮説になってしまいますが、ベルツノガエルや他のツノガエル飼育で最も多いと言われている突然死というのは、低温な餌⇒急激な体温低下⇒内臓器官の活動低下⇒消化不良⇒死亡、という負の連鎖になっているのかもしれません。
私の場合、冷凍のピンクマウスを与えたことがないので分かりませんが、冷凍のピンクマウスの中心部までキチンと解凍し、それなりの温度(20度前後だと思いますが・・)にするには、お湯での解凍にそれなりの時間を要するのではないでしょうか。大きくなった飼い込み個体の突然死の話がよくありますが、それは冷凍マウスの解凍がキチンとされていなかった結果ではないかと思えるのです。
大きくなった飼い込み個体には、通常、与える冷凍マウスのサイズもアップしていると思いますので、餌の芯まで解凍するには時間がかかるはずです。それが、たまたま何らかの事情で解凍に時間がかけられず、外側は暖まっていたとしても中心部は冷たい状態のままのマウスを与えた際に負の連鎖が作用してしまったとすると、飼い込み個体の突然死という事象も説明がつくのではないでしょうか。
■簡単ではあるけど奥の深いベルツノガエルの飼育
ベルツノガエルを含むツノガエル飼育に必ず出てくる話題の一つに給餌の問題があります。それは餌の種類であり、1度に与える餌の絶対量であり、餌を与える間隔であり、餌に含まれる栄養価でもあります。
体の約半分近くを占める大きな口を持ち、自分の体ぐらいの大きさのモノでも目の前の動くもの全てを捕食し、消化不良によって突然死してしまうこともあるツノガエル。何でも食べてようとすることと、消化不良などによって突然死してしまうことのギャップがベルツノガエル飼育の奥の深さをもたらしている一つの要因なのかもしれません。
ベルツノガエルの寿命は10年以上になるそうです。病死や脱走による乾燥死などは勿論ですが、消化不良などの給餌を原因とした突然死などには十分注意したいものです。
←砂肝を食べた直後のデップリとした同居人の上からのショット
→翌朝、糞の促進のために温浴している姿