ツノガエルの長期不在対策
2016/02/14
■ツノガエルの世話を頼める人が身近にいますか?
今年のゴールデンウィークは、お休みをとれば9連休、暦どおりでも後半は5連休でしたが、あなたは何処か旅行に行かれましたか?
ゴールデンウィークや夏休みなどで長期に自宅を不在にする場合、一番困るのは「飼っているツノガエルをどうすればいいのか」ということではないでしょうか。一番の解決方法は親や親戚、はたまた友人などに世話を頼むということだと思いますが、ツノガエルの世話を気軽に頼める人が身近にいるという方はそれほど多くないと思います。
私も赴任先で同居しているベルツノガエルとクランウェルツノガエルの世話を頼める人というのは居ませんし、ツノガエル達を東京の自宅、さらには家族との旅行先まで連れていくというのは出来ないのが現状です。
私の場合、今年のゴールデンウィークは暦どおりの休みではありましたが、5月1日、2日の両日は東京での仕事でしたので、9日間という長期間、ツノガエル達がいる赴任先を不在とすることになってしまいました。
今回は、まだヒーターを切ることが出来ない季節に、ツノガエル達を置いていったまま、約9日間という長期の不在をした私の対策方法をご紹介します。
■ベルツノガエルの長期不在対策
我が家の同居人のうち、ベルツノガエルの飼育環境は20cmキューブ水槽に赤玉土を厚めに敷き、小型の水中モーター式フィルターを仕込んである簡易テラリウムになっています。
ツノガエルにはお留守番をしてもらい、長期不在をする場合の対策の基本は、不在期間中に適度な湿度を保つことと適温帯の維持ということになりますので、普段、床材である赤玉土の表面直下ぐらいまでしか入れていない水の量を増やし、キューブ水槽付属のガラス蓋でケージの3分の1を覆い、そ の上にメッシュ蓋をするという対策をとっています。
こうすることで長期不在期間中の湿度を確保しつつ、飼育ケージ内の蒸れを防ぎ、水分が干上がってしまわないようになります。
また、飼育ケージ内の水中モーター式フィルターの電源も外しておき、水が減ってもモーターが空回り状態にならないようにすることも忘れません。
■プラケースでのウールマット飼育の憂鬱
ベルツノガエルの場合は、飼育環境が20cmキューブ水槽に厚めの赤玉土というものであることと、ツノガエル自身が、ある程度育った個体なので、こうした簡単な対策で長期不在時もなんとかなります。
しかし、まだまだベビーであるクランウェルツノガエルはプラケースを使ったウールマット飼育なので、ベルツノガエルのように飼育ケージ内に入れる水の量を増やしてもたかがしれている量しか増量はできません。
また、暖かくなったとはいえ、今の時期では急に冷える日もありますので、パネルヒーターの電源を落とすわけにもいきませんし、ヒーターで保温をしていれば飼育ケージ内の水分は蒸発し、最悪、干上がってしまうという問題をかかえてしまいます。
■クランウェルツノガエル(ベビー)の長期不在対策
今回、私がとったプラケースでの長期不在対策は、一言で言えば「ケージ内ケージの設置」といえばいいでしょうか。
まず、ベルツノガエルのベビー時代から活用している100円ショップの小さなプラケースの中に敷けるだけのウールマットを敷いて、それなりの水を飼育ケージ内に入れられるようにして、出来る限り多くの水を注入します。
次に普段、クランウェルツノガエルの飼育ケージとしているひと回り大きなプラケースに水だけを入れていきます。
そして、水だけを入れたひと回り大きなプラケースの中にウールマットを可能な限り厚く敷き、タップリの水を入れた100円ショップのプラケースを入れてしまうのです。
ここで問題になるのは、普段使っているプラケースが100円ショップのプラケースをスッポリと入れられることのできる大きさかどうかということがありますが、仮に入らないようであれば、プラケースは幾らもしないですので近所のホームセンターなどで購入して頂ければいい と思います。
最後は、クランウェルツノガエルを100円ショップのプラケースに入れて、それぞれのプラケースの蓋をします。
こうすることで、クランウェルツノガエルが入っている小さなプラケースは、一定の湿度が保たれた空間の中に設置されていることになるので、長期不在にしたとしてもケース内の水分が蒸発しきってしまうことを防ぎ、保温も可能とする環境を構築することができるのです。
■結果は上々、問題なし
今回の対策は、かなり自信があったのですが、心配が全く無かったわけではありません。ベルツノガエルについては心配していなかったのですが、クランウェルツノガエルのベビーは、やはり不安な面もありました。
ですので、連休明けは普段よりも30分以上早く東京の自宅を出発し、一度、赴任先の部屋を見に行ってから出社をしましたが、結果的には、何の心配をする必要も無く、元気なツノガエル達の姿を確認できました。ベルツノガエルの飼育ケージもクランウェルツノガエルの飼育ケージも水分はそれなりに蒸発していたのですが、大体3分の1ぐらいの量が蒸発したといった程度で済み、問題は全くなしといっていいでしょう。
■夏の対策は簡単です
今回の長期不在対策の一番のネックは、パネルヒーターで保温をしなければならない季節であり、保温による飼育ケージ内の水分蒸発対策というものでした。
では、夏のようにパネルヒーターで保温が必要のない季節の長期不在対策はどうするのかといいますと、これは実に簡単な方法で大丈夫なのです。
それは何かといいますと、お風呂場と風呂桶を使うだけ済んでしまうのです。
具体的には、風呂桶という大きなケースに2~3cmほどの水を溜め、その中に蓋をした飼育ケージをツノガエルを入れたまま設置すればいいのです。
風呂桶に水を溜め、お風呂場のドアをしめてしまえば、お風呂場は湿度を保つことのできる大きな飼育ケージに早変りです。夏なので保温の心配もありませんし、お風呂場ですから外から見えないよう、窓にはシャッターというかお風呂場内を隠すものがあると思いますので、日の光も入らないようにでき、お風呂場自体が高温になり、蒸れすぎた空間になってしまうということもありません。
ツノガエル達の飼育ケージを室内ガラス温室などで一括管理されている方は、室内ガラス温室内の一番下に水だけを溜めたプラケースなどを設置することで、長期不在の場合でも温室内の湿度を保ち、飼育ケージの水分蒸発を防ぐことができると思いますが、私のようにキューブ水槽などとパネルヒーターで保温をしている飼育環境の方は、こんな対策方法で長期不在を乗り切ってみるのはいかがでしょうか。
ちなみに、長期不在にする前には可哀想でも1週間ぐらい前からツノガエルには餌は与えないようにして下さい。今回、クランウェルツノガエルのベビーは、フンを確認した直後のちょうど1週間前から餌を与えないようにしていたのですが、それでもフンをしていました。
飼育ケージ内水分や保温の確保が出来たとしても、不在期間中にツノガエルがフンを大量にしてしまい、飼育ケージ内の環境が悪化してレッドレッグ病などに罹ってしまっては困りますからね。些細なことかもしれませんが、やはり長期不在にする場合は、できる限りの対策をしてあげたいですよね。