小さき勇者たち~ガメラ~に思うこと
2016/02/03
■ガメラのモデル
明後日からGWが始まりますね。
GWの初日29日からは、映画「小さき勇者たち~ガメラ~」が上映開始となります。ガメラの新作とは随分と久しぶりな感じがしますが、今回のガメラに出てくるカメはケヅメリクガメです。
映画そのものは、ハバネロの蔵に訪れてくれている今さんが試写でご覧になっており、ガメラと子供達の交流が描かれている良い映画のようです。
ただ、ケヅメリクガメがガメラになっているというのを知った時、とっても気になってしょうがないことがあるのです・・・
■ガメラの真の姿
ガメラのモデルになっているケヅメリクガメの真の姿は、「飼い易いリクガメに入る。しかし、一般家庭では最もお勧めできないカメである。」と言えます。
ペットショップやネットで販売されているケヅメリクガメは映画にも出てくるシーンのようにタマゴから出てきたばかりのCB(人口繁殖個体)ベビーです。何度も実物を見たことはありますが、本当に可愛いピンポン玉のようなリクガメです。そして、比較的手頃な価格なのです。
しかし、ケヅメリクガメはゾウガメの次に大きくなるリクガメなんです。
購入当初はピンポン玉でも、3年も経てば甲長40cmオーバーとなり、いずれは飼いきれなくなくなるでしょう。成長すれば甲長70cm以上にもなる大型のリクガメなんです。
■ガメラは飼えないと思うべき
ガメラであるケヅメリクガメを真剣に飼おうと思ったら、部屋を一つ潰す覚悟が必要だといっていいでしょう。ある程度のお金とスペースを注ぐ決意がなければガメラは飼えないのだと思った方がいいのです。
しかもリクガメはすべてサイテスⅡになっています。
ガメラという映画によって、カメの魅力に触れ、爬虫類・両生類の魅力に触れ、爬虫類・両生類の飼育愛好家が増えるのは大歓迎だと思います。ただ、ガメラと同じだからといって安易にケヅメリクガメを飼い始める方(とくにお子さんと一緒に映画を見に行ったお父さん)がいるのではないかと心配してしまいます。
心無いペットショップやネットオークションで「ガメラに出ていたのはこのリクガメです。」といったキャッチコピーが出てきそうな気がしてしょうがないのです。
ガメラを見てリクガメを飼いたいと子供にせがまれたお父さんには、リクガメ大百科やザ・リクガメ、最新号のビバリウムガイドNO.33などを十分に読んで頂いてから、リクガメの選定と購入をして欲しいと思っています。
この記事を読まれている方の多くは、何らかのペットの飼育をされている方だと思います。そして、ケヅメリクガメの真の姿も知っていると思います。
知り合いの方から「ケヅメリクガメってどうなのよ。」と聞かれたら、ケヅメリクガメの真実を伝えてあげてください。
また、リクガメを飼うにはそれなりに飼育設備を揃える必要があって、初期投資が必要なこともキチンと伝えてあげてください。
ガメラでカメに興味を持ったり、飼育を始められる方が増えるのは爬虫類・両生類を飼育する我々にとって歓迎すべきことだと思っています。ただ、安易に爬虫類・両生類の飼育を始め、キチンと飼うことができずペット達を死に至らしめることは避けて欲しいのです。どうぞ、ネットでも本でも結構ですので、予備知識を仕入れてから、飼い始める生体を選んでいただきたいと思っています。
ハバネロ親子は当然のごとく「小さき勇者たち~ガメラ~」を見に行く予定ですので、すでに電子チケットぴあを使ってガメラの前売り券を購入しています。見に行きたい時に購入した電子チケットを携帯にダウンロードすればいいというのは、便利な世の中になったものです。
どんどん便利な世の中になっていきますが、ペットは愛情と手間と注いでこそ、飼育の楽しみがにじみ出てくるということは、きっといつになっても変わらないことなんだと思います。