もう一つの温浴<ビタミン浴>
2016/02/11
■ツノガエル的には便秘ではないかもしれませんが
ベルツノガエルなどのツノガエルは、既にご存知のとおり、人間の感覚で言うところの「便秘」によくなります。大体、1~2週間ぐらいフンをしないのは当たり前で、時には1ヶ月以上もフンをしない場合もあります。ツノガエルの身になってみると、そのぐらいの間隔はごくあたり前なのかもしれませんが、いかんせん消化不良や餌の与えすぎで死んでしまうことがあるというのをよく聞きますので、飼い主としては心配になってしまいます。
■温浴の効果
そんな便秘気味のツノガエルに効果的なのが温浴です。新鮮なぬるま湯を入れたケースに移し、大体20~30分ぐらいするとお腹の中に詰まっていたものを綺麗に出してくれることが多いのです。我が家の場合は、おおよそ水温32度前後にて温浴させ、便秘解消に役立てています。
便秘解消に効果的な温浴ですが、温浴で使用するのが100均のプラケースなので、温浴の際に普段見ることのできない腹部側や足裏を観察して何か異常がないかどうかを確かめたり、飼育ゲージ内の水を新しいものに換水するなど、便秘解消以外にも温浴の効果は色々あります。
■もう一つの温浴
実は我が家では、便秘解消などを目的とした普通の温浴以外に別な目的を持った温浴もさせています。それは何かと言うと「ビタミン浴」です。どんな温浴かといいますと、温浴するぬるま湯に両生類・爬虫類用のビタミン剤を溶かしこみ、温浴させながらビタミン類などを皮膚から吸収させるというものです。
このビタミン浴は大学時代に働いていたペットショップ(熱帯魚が主で他にはカメなど)で覚えたものでして、問屋さんから卸してもらった直後、つまり輸入直後で体調を崩していると思われるカメ(リクガメ、水棲ガメ問わず)に必ず施していたものです。また、ショップで管理している間に体調を崩したカメなどにもビタミン浴を何回か施すと、ほとんどが元気になるほど効果的なものでした。このビタミン浴は動物病院で施される治療の一つでもあり、当時、ショップでカメを購入されるお客様には必ずお教えしていたアドバイスの一つです。
■ビタミン浴の実施方法
私の場合、ベルツノガエルの体調の良し悪しにかかわらず、健康な体調維持と病気の予防という観点から、普通の温浴とは別に、ほぼ1ヶ月に1回ぐらいの割合でビタミン浴を実施しています。
当時も今もビタミン浴に使用しているビタミン剤は、爬虫類・両生類飼育では超定番のネクトン-REPです。
カメに効果的であるのは経験済みですし、ジャイミル単食で育てている自宅のヒョウモントカゲモドキに使っているのもこれです。パッケージにはアルビノツノガエルも表示されていますので、もちろんカエルにも有効だと思います。
取り扱い説明書に記載されている成分表は、ビタミン類がビタミンA・B1・B2・B6・B12・C・D3・E・K3・パントテン酸・ニコチン酸アミド・葉酸で、アミノ酸がリジン・メチオン、微量元素が硫化第一鉄・硫酸マンガン・硫酸亜鉛・硫酸銅・硫酸コバルト・ヨウ化カルシウム、その他がブドウ糖、炭酸カルシウムとなっています。ビタミンだけの構成ではないので、商品としては、「爬虫類・両生類用水溶性粉末栄養補助 食品」となっています。
具体的な使い方としては、容器のフタを外すと内フタがあるのですが、画像のように内フタに楊枝で穴を数箇所開けて必要以上に容器から出ないようにします。
これを温浴させるプラケースにぬるま湯を張った後、塩コショウをするようにして1~2回ほど降りかけて、よく溶かします。ネクトン-REPが十分に溶けた後は、普通にベルツノガエルをプラケースに移し、20分から30分程度、普通に温浴させるだけです。
ビタミン浴をする際に気をつけている点は、フンをさせないようにすることです。せっかくのビタミン浴ですから、温浴させている最中にフンをしてしまってビタミン・栄養剤入りの水を汚してしまっては元も子もありませんし、十分に皮膚から吸収できないうちに飼育ゲージに戻さなくてはなりません。ですので、ビタミン浴をさせるタイミングは、フンをしたことを確認した後の、次の給餌をするまでの間に実施するようにしています。
ツノガエルなどの地上性のカエルには普通の温浴のやり方でビタミン浴をすればい いと思いますが、樹上棲のカエルなどには霧吹きをする水にビタミン剤を溶かしてあげるといいと思います。
自然界にいる時と同じように多種多彩な餌を与えることができればいいのですが、やはり飼育下においては、どうしても餌は偏ってしまうと思います。
あなたのツノガエルにも、もう一つの温浴「ビタミン浴」をさせてあげては如何ですか。
(関連記事:お留守番は無事終了、い~い湯だな!<便秘と温浴>)