ホームセンタは底材の宝庫!?
2016/02/13
■底材は飼育スタイルによる
ツノガエル飼育においては、底材無し、スポンジシート、水苔、ヤシガラ土、砂利など色々な底材を飼い主さん達がそれぞれの飼育スタイルの中で活用されています。
私が使っている底材は焼き赤玉ですが、これも私の飼育スタイルを考えた上での結果で選んだ底材です。誰もが考えることだと思いますが、やはり、良いモノを安く手に入れたい、専用のものではなくとも他の用途のものを安く流用したりして、他とは違った自分なりのスタイルで飼育したいと思いますよね。
■底材を選ぶ時の基本事項
ツノガエル飼育で底材を検討する際に気をつけなければならない点は、1.誤飲による腹詰まり(最悪、死亡)を回避できるモノ、2.皮膚から水分を吸収するカエル君達に悪影響を及ぼす物質(薬品等)を含んでいないモノ、3.デリケートなカエル君達のお肌を傷つけないモノの3点だと考えてます。
1項については、底材のサイズ・形状・性質を考慮して、誤飲しても腹詰まりしないモノ=カエル君達が排出できるモノ、もしくは誤飲不可能なサイズのモノを探せばいいわけです。
2項は自然界に存在するモノで変な人工物が含まれていないか、含まれていても灰汁抜き等の処理で人工物を除去できるモノです。
3項は見た目判断で表面がヤスリのように硬くザラザラしていないモノですね、表面が柔らかいモノもしくは滑らかな形状のモノです。
これらのことを頭に入れたら、サァ近くのホームセンタに足を運んでみましょう!
■まずはペットコーナーへ
入り口正面からセンタの中に入り、コーナー名が記載されている天井付近をグルリを見回すと・・・ありましたっ、ペットコーナー!そそくさと足早にペットコーナーへ赴くと、生体の他に水槽、エアポンプ、フィルター、レイアウト用品、底砂利などの飼育用品コーナーがあります。
イキナリ底砂利に目を向ける前にフィルターコーナーを目を転じてください。そこには最近流行のテト●社製の外掛け式フィルターなどが幅を利かせていますが、つい数年前までは上部式フィルターが一般的でした。そしてこの上部式フィルター用のウールマットがツノガエル飼育の底材としては、素晴らしいモノの一つです。
フィルター用ウールマットには上部式フィルター用以外にも底面式フィルター用のグラスウールもありますが、ツノガエル飼育にはやっぱり上部式フィルター用のウールマットだと思います。その理由は圧着成型されているということです。圧着成型されているので一定した厚みや形を保持できますから、プラケースなどのツノガエル君達の棲家の大きさにあわせてカットすることができます。誤飲する心配もなく、マットの厚みと同じ程度の水位になるように水を入れておけばいいわけですので超簡単、おまけに基本的には白色なので水も汚れやツノガエル君達の糞もすぐに発見できます。
ビバリウムガイド(両生類・爬虫類雑誌、もともとはマリン企画社のアクアライフの臨時増刊が発端だった記憶が・・・)のツノガエル特集号でニュアンスの大津さんが推奨して底材もこの上部式用フィルターのウールマットでした。
おっ、ウールマットの隣には上部式フィルター内に入れるための活性炭なんてもありますね。砂利に似た形状で匂いや汚れを吸着するという砂利状の炭が袋に入ったモノで、これも使えそうです。基本的に炭ですから質量も軽く、誤飲しても排出する可能性大だと思います。気になるのは結構鋭利な感じの粒状ということぐらいです。
■ペットコーナーには当然あります、砂利
上部式ウールマットで底材は決定!と結論を出す前に折角ですから、ペットコーナーの底砂利にも目を向けたみましょう。大磯、硅砂、川砂、玉砂利、五色砂利(石)、サンゴ砂などなど、中にはハイドロサンドなんていうちょっとマニアックな熱帯魚向けの底材もあるかもしれません。
定番の大磯などは粒も色々ありませんか?大粒、中粒、小粒、極小粒などです。硅砂はかなり粒が小さく一応砂利としての形状を保ってますが、川砂なんか砂そのものですね。玉砂利や五色砂利(石)などは、もう砂利ではなく石というカテゴリーに入ると思います。
こうしたペット用砂利は種類、大きさ、形状、そして色も様々ですので、自分が飼育しているツノガエルのサイズや給餌の方法(ピンセットから与えるのか、コオロギなどをケースに放ちカエルが襲うワイルドさを堪能するか等)により選択可能だと思います。基本的にピンセットでピンクマウスを給餌しているようであれば、腹詰まりするほど大量の誤飲はないと思います。ただ、ピンセット給餌以外の方法でツノガエル君が餌を襲うに任せるような給餌方法をとっている場合は大なり小なり誤飲は発生しますので注意する必要があると思います。
玉砂利など除けば、いずれも基本的に表面はなだらかではなく、かつ質量がありますので大量に誤飲してしまうと糞といっしょに排出されず腹詰まりとなってしまうこともあるかもしれません。ちなみに八景島シーパラダイスかサンシャインか上野水族館かは忘れましたが、どこかの水族館にいたベルツノ君(サイズは12cm以上の成体でした)は硅砂が使われておりました。
■ちょっと待ったぁ~
じゃあ、硅砂を買おう!と思ったあなた、ちょっと待って下さい。大磯も硅砂もホームセンタ他のコーナーで見た記憶がありませんか?
ええ~っと・・そうです、それは確か園芸コーナーかガーデニングコーナー。
あなたがいるホームセンタでは庭園コーナーとなっているかもしれません。いずれにしても建物の外のコーナーでしたよね?
さあ一度建物を外に出てみましょう。
どうですか?ありましたよね、大磯も硅砂も川砂も玉砂利も五色石もおまけに砂利やハイドロサンドのような形状をしていながらもベルツノ君達のおなかに優しそうな鹿沼土や焼き赤玉が!!ペットコーナーと違うのは巨大な袋に入った莫大な量ってことだけで、ペットコーナーにおいてある量に換算すると値段は圧倒的に安くなってませんか?
だたし、問題はその圧倒的な量なんですが、ここで販売員の方を呼んでみて下さい。「すいません、硅砂2kgもあれば十分なんで、この10kg以外の量の販売はしてませんか?」と聞いてみてください。きっと店員さんからはこんな回答が返ってきますよ。「あっ、計り売りコーナーがあちらにあります。」もしくは「あっ、袋が破れてしまったものがありますから、見てみて下さい。」って。
計り売りがあればバンバンザイですが、大体は袋が破れてしまったものを半端モノとして、格安で販売している場合がほとんどです。そういった場合、大体はまだまだ大量な状態ですが、値段は半分以下の捨て値になってますので、お支払いはそのままの値段でして必要な量だけを持って帰るという技が通用します。(大体の場合は店員さんもOKを出してくれ、値段も100円以下になる場合が殆どです。)ちなみにこの技は自宅で買っているカブトニオイガメやヒョウモントカゲモドキの底材を購入する際に使ってます。
唯一、この技が通用しないのは鹿沼土や焼き赤玉など、となりの園芸コーナーで少量の袋入りの商品が存在するもの達です。
■店内にもありますよ、園芸コーナー
そうですか、焼き赤玉を必要量だけ買おうとしたら店員さんに言われちゃいましたか、「建物内の園芸コーナーに2kg入りの袋がありますよ。」って・・・じゃあしょうがないですね、行ってみましょう建物内の園芸コーナーに!
あれっ、そこに行くと焼き赤玉も外の大袋に入ったものよりも粒の小さいものがありませんでしたか。そうです、外にあったヤツは「ちょっと大きいかな」って思うような中粒ぐらいまでしかなかったのに、ここには小粒、極小粒なんていう最適なサイズがそろってます。それに焼き赤玉よりも少々値が張りますがハイドロボールなんていう商品名のハイドロカルチャー用の土でセラミックなんかを加工した玉状の土もありますね、おまけにこれって水耕栽培用の人工土ですから水にもヘッチャラです。
■ほかにもいろいろ
また、上記に記述したもの以外にも、ウッドチップやコルクチップなんていうものを置いてあるホームセンタもありましたし、フラワーアレンジメント用のオアシスなんていうのもイケル範囲だと思います。
新宿高島屋スクエア内の東急ハンズでは、コルクの原皮も売っていました。ホームセンタにも100円ショップにも置いてあるコルクボードなんか一度灰汁抜きというか色抜きのために一晩水に漬けた後であれば、ウールマットのような感覚で使用できるとも思います。
■とどのつまりは
ちょっと長くなってしまいましたが、ベルツノガエルの底材は色々なものを使用することができると思います。注意点を念頭に可愛がっているベルツノ君にストレスにならず、お部屋の雰囲気やご自分の飼育スタイル(例えば自然のひとかどを切り取ったような空間を演出したいなど)にあわせて決めていけばいいんじゃかと思います。
ホームセンタに買い物に行った際には、ちょっといつもとは違う発想で陳列されている商品を眺めてみれば面白いものが見つかるんじゃないでしょうか。まさにホームセンタはベルツノ飼いにとって底材の宝庫な訳なのです。
では、とりあえず「 ガーデニング市場 」にでも行ってみますか。