餌の確保と餌付けの容易さ<魅力第5弾>
2016/02/12
■昔は難しかったカエル飼育
カエルをペットとして飼うことは、一昔前では今ほどメジャーではなく、いわゆるマニアと呼ばれる方々が楽しんでいたものでした。
また、我々の身近にはアマガエルやトノサマガエルなど親しみのあるカエルが沢山おり、子供時代に捕まえたカエルを自宅で飼おうとした方も多いと思いますが、多くの方は飼いきれなくなって逃がしてあげたか、死なせてしまったのではないでしょうか。
■難しさの原因
カエル飼育がマニアと呼ばれる一部の方々に限定されていたり、採取してきたカエルを飼いきれなくなってしまった原因は何なのでしょうか。
温度やある程度の湿度の管理も必要となる、飼育環境の構築と維持という側面もありますが、何よりもカエルに与える「餌の確保」という事が大きな要因であったと考えます。
■容易になった活餌の入手
基本的にカエル飼育には動く餌(活餌昆虫)が必要ですが、ヨーロッパ イエコオロギ (イエコ)などの活餌が一般的にショップで出回り始めたのは比較的最近のことです。
活餌であるコオロギが一般的に広まった理由は色々あるようですが、レッドアロワナの色揚げ効果のある餌として、商業ベースでの生産が始まってからというのが大きな理由との話を聞いたことがあります。
いずれにしろ、今は爬虫類・両生類の専門ショップでなくとも、普通の熱帯魚ショップでコオロギをいつでも入手できる状態になり、それこそネット通販でも 活コオロギ は入手可能になっています。
■もう一つのハードル
餌の入手が容易になって、メジャーになりつつあるカエル飼育ですが、カエルとともに活餌をキープ、すなわち「餌を飼う」というもう一つのハードルがあります。
コオロギなどは一度入手してしまえば自家繁殖もできるので餌代の削減も可能ですが、やはりそれなりの世話が必要になりますし、「臭い」という問題もあります。
榎本さんやhaulerさんが導入されているデュビアという自家繁殖が容易な餌昆虫もありますが、いかんせんアルゼンチンのコックローチですから、その姿を許容できるかどうかは人それぞれだと思います。
■ツノガエルの魅力
活コオロギの流通によって容易になったカエル飼育ですが、必ずしも活餌を必要としないカエルがツノガエルなのです。
【↓砂肝を食べているベルツノガエル】
当ブログや他のブログの餌関連の記事を見ていただければ分かると思いますが、ツノガエルは活餌以外でも貪欲に食いついてきます。ハッキリ申し上げて目の前で動くものなら何にでも食いついてくると言ってよく、水替えの際に飼育者が指を噛まれるということが多発してしまうぐらいです。
【スーパーで売っている生ワカサギを食べている↓ベルツノガエル】
それほど貪欲なツノガエルですから、いわゆる「餌付けの心配」も無用です。ショップから自宅に移った際には、環境の変化で餌食いが悪い個体もあるようですが、2~3日ほっておいて新しい環境で落ち着かせた後であれば、間違いなく餌付いてくれます。
餌付けの心配もなく、飼育者の都合にあわせた餌を与えることのできるツノガエルは、ペットガエルとしての大きな魅力を持ったカエルなのです。